近づきすぎた同志

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毎回俺んとこに来るたびに、声をかけていたのはわかっていた。 結局あの愛美でも断りきれずに、俺と他数名で食事に行くことになる。 俺は食事が済んだ時点で、愛美を連れて帰ろうとした。 すかさず泉は愛美に声をかけた。 「小林さん。この後俺と、どこかで飲んで行きません?」 愛美は俺をチラッと見た後、泉に返事をした。 「泉社長、申し訳ありません。とてもうれしいお言葉ですが、明日も仕事で朝は早いですし、私は真っ直ぐ帰ります。食事に誘って頂き、ありがとうございました」 そう言って一礼した。 「愛美、さきに車に行ってろ」 そう声をかけて車の鍵を差し出すと、愛美はそれを受け取り店を出ていった。 「…彼女は、ただの秘書じゃないんですか?」 タバコに火をつけながら、泉が俺に声をかけてくる。 我慢できず、泉からそのタバコを奪った。 「言ったはずだ。俺の前でタバコを吸うんじゃない」 「ああ、すいません。そうでしたね」 そう返事をしてニコッと笑う。 俺はフゥッと一息ついた後、泉に答えてやった。 「愛美はうちの大事な秘書だ。手を出されては困る」 すると、泉が俺を見つめてきた。
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