1034人が本棚に入れています
本棚に追加
私は朝から、どこかウキウキしていた。
だって。
だって!
今日はやっと専務が戻ってくる日なんだもん!
ああ、どれだけ待ち望んでいたことか。
この期間、本当に長かった気がする。
「…ずいぶんうれしそうだな」
一言ズバッと悠哉に話しかけられ、ドキッとする私。
「ア、アハハ。ほら、外の天気もいいですし。なんだかこう、気分がとてものってるというか…」
テーブルに朝食を並べながらそう言うと、悠哉は私に顔を近づけ覗き込んできた。
マジマジと見つめてくる。
…う、そんなに見なくても…。
しばらくした後、私から離れて軽く息をもらした。
「片桐が戻ってくるからといって、府抜けるようではまだまだだ。あいつが居ようと居まいと関係ない。気合いだ、気合い」
そう言って新聞を広げ、目を通しはじめる悠哉。
どうやら、私の考えてることはお見通しのようですね。
「…はぁい」
少しひねくれたように、唇を尖らせて返事をした。
すると、またも悠哉がジイッと私を見つめてくる。
「ああ、大丈夫です。わかってます!」
最初のコメントを投稿しよう!