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オーバーアクションで、悠哉に向かってすぐに頷いた。
そんな私を見るなり、クスッと笑う。
そしてまた新聞へと視線を戻した。
私は手を動かしながら、チラチラと悠哉を盗み見た。
ここのところ、本当に忙しいままだし、休憩時間だろうとお構いなしにあちこち出歩く悠哉。
そんな姿を思い浮かべ、心のなかで呟く。
私はただ、心配なんだよ。
前みたいに、顔色悪くしちゃわないかなぁとか。
だから専務が戻ってくることは、私にとってうれしいのは当たり前。
悠哉はうれしくないの?
そんなことないよね。うれしいに決まってる。
その場でウンウンとおもいっきり頷いた。
なんだか突き刺さるような視線をかんじ、ハッとする。
パッと悠哉を見ると、またも私の顔を覗き込んでいた。
あらら…。見られてたかな?
悠哉はやれやれとでも言いたげな表情を見せてきた。
「…あ、あの、朝食用意できたので、食べましょうか」
すると新聞をたたみ、顔をあげ私にニコッと笑う。
「ああ、そうしよう」
悠哉の素敵な笑顔を見つめながら、毎朝の日課になりつつある2人一緒のこの時間を、今日も幸せいっぱいに噛み締める私だった。
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