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今回の会合は、去年とはまた違うホテルで開催されている。
とはいえ、初めて行く場所ではない。
毎回抜粋されたホテルをローテーションさせて、会場が決められる。
社長になってから幾度となく会合に参加してきた俺は、その抜粋されたホテルの場所をほとんど把握済みだった。
会場に着き車を止めた後、そのホテルのなかへ。
エレベーターに乗り込み、会合が行われる三階に向かう。
そこへ着くと、すでにたくさんの人で賑わっていた。
受付を済ませていると、さっそく声がかかる。
「ああ、夏野社長じゃないですか」
その声に顔をあげ、笑顔で挨拶をかわした。
じっくり話をした後、また別な社長たちへと声をかけては挨拶をし、さらにじっくりと会話する。
情報収集に努め、また、日頃お世話になっている方には手厚く挨拶を。
なかなか身が疲れるところだが、そんなことは言っていられない。
この前、N社との取引を泉に持っていかれて以来、俺は新たな会社との取引を控えていた。
それは、以前からお世話になっている会社との取引までを、蔑ろにはできないため。
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