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「ありがとうございます。不在の間、迷惑をかけてしまいましたね。忙しくなってしまったでしょう？何事もなかったですか？」
ああ、なんて優しいお言葉。
今は専務が天使に見えるよ。
「大丈夫です！」
すぐに笑顔で返事した。
すると、なにやら専務がクスクス笑いだす。
「相沢さんのいい表情が見れてよかった。私はてっきり、社の者たちに押し潰されてしまってるのではないかと心配だったんですよ」
「…え？」
「あんな場所でバレることになってしまい、すこしイタズラが過ぎたかと愛美と反省してたんですが…。相沢さんが笑顔ならなによりです」
そしてニコッと笑った。
その笑顔を見た瞬間、私はすべてを思い出した。
ああ、そうだった…。
私ってば、なに忘れちゃってるの。
ダメじゃない。
このお方は、…天使なんかじゃない！
一歩後ずさりした。
そう、事は専務から始まった。
引き金を引いた張本人じゃない！
あ、悪魔もいいとこだよ。
さらに後ずさりする。
「相沢さん？…大丈夫ですか？」
そう言って首を傾げ、私に近づこうとしてきた。
私は、すぐさま広げた両手を前にバッとつき出した。
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