1071人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
真っ先に心臓がドキッと反応した。
私はそれを隠すように返事をする。
「は、はい!」
その返事を聞いて、悠哉はまたニコッと微笑んでいた。
ああ、いよいよなんだね。
心配事はそれなりにあるけれど、でも、これは悠哉との距離がまたグッと縮まることを意味してる。
照れくさいような、恥ずかしいような。
どこか落ち着かない私をよそに、悠哉は手を握りしめてきた。
そして、ゆっくりとさっき通ってきた道を歩いていく。
午後の暑い日差しが照りつけるなか、木も草も、道も車も、どこかギラギラと輝いている。
私は空いている手をかざし、目を細めていた。
そんな私をチラッと見てくる悠哉の笑顔も、とても眩しく見えていた。
最初のコメントを投稿しよう!