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「そうなんですけど、私、絶対忘れちゃうと思いませんか?それが心配で…。こんなに素敵な物を頂いたのに、さすがにそれはしてはいけないと思ってるんですけど。あの、悠哉、専務のメールアドレス知ってます?」
すると悠哉はクスクス笑いながら返事をしてくる。
「ああ、お前ならあり得るな。アドレスなら知ってるよ」
「じゃあ、今悠哉も一緒にお礼をしましょう!」
「何!?」
悠哉は片眉あげて、私を見ていた。
「メールするのか?俺が、…片桐に?」
「はい!そうです!」
私はニッコリ笑って返事をした。
すると、悠哉は首を横に振る。
「あいつに仕事の件で連絡するのはしょっちゅうだが、個人的にメールなどしたことがない。ダメだ」
「ええ!?そうなんですか?…でも、お礼するだけですよ」
「いや、俺は会ったときに直接言おう」
「え~!いいじゃないですか。一緒にお礼しちゃいましょうよ」
そう言う私を構いもせずに、悠哉はケータイを開いていた。
「ほら、アドレス教えてやる」
「いいです!悠哉がメール送ってくれれば、それで済んじゃうんですから」
「ん!?だから俺は…」
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