さざ波-2

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「そうなんですけど、私、絶対忘れちゃうと思いませんか?それが心配で…。こんなに素敵な物を頂いたのに、さすがにそれはしてはいけないと思ってるんですけど。あの、悠哉、専務のメールアドレス知ってます?」 すると悠哉はクスクス笑いながら返事をしてくる。 「ああ、お前ならあり得るな。アドレスなら知ってるよ」 「じゃあ、今悠哉も一緒にお礼をしましょう!」 「何!?」 悠哉は片眉あげて、私を見ていた。 「メールするのか?俺が、…片桐に?」 「はい!そうです!」 私はニッコリ笑って返事をした。 すると、悠哉は首を横に振る。 「あいつに仕事の件で連絡するのはしょっちゅうだが、個人的にメールなどしたことがない。ダメだ」 「ええ!?そうなんですか?…でも、お礼するだけですよ」 「いや、俺は会ったときに直接言おう」 「え~!いいじゃないですか。一緒にお礼しちゃいましょうよ」 そう言う私を構いもせずに、悠哉はケータイを開いていた。 「ほら、アドレス教えてやる」 「いいです!悠哉がメール送ってくれれば、それで済んじゃうんですから」 「ん!?だから俺は…」
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