さざ波-2

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「もう!貸してください!私が文章打ちちますから!」 そう言って、悠哉に広げた手を差し出した。 さらに片眉上げて私を見つめると、悠哉はやれやれとでも言いたげな表情で、私の手の上にケータイを置く。 しばらく、慣れない悠哉のケータイをカチカチして文章を打っていた。 「できた!…これでいいと思いませんか?」 そう言ってニッコリ笑い、出来上がった文章を見せた。 悠哉がケータイを覗き込む。 と同時に私からそれを取り上げた。 「却下」 「ええ!?なんでですか!?」 「俺はこんなキャピキャピした絵文字を使ったりはしない」 「…そんなぁ」 っていうか、キャピキャピした絵文字って何ですか!? ごく一般的なものしか使ってないんだけどな…。 「ほら、アドレス」 「もういいです!私も、会ったときに直接言います!忘れないように、なんとかします」 ブスくれていると、悠哉はクスクスしていた。 そして、再びケータイを私に差し出してくる。 「いや、…片桐の連絡先は知ってたほうがいい。何かあったとき、俺とすぐに連絡とれない場合は、あいつを頼って間違いないよ」 その言葉に目をパチリとさせた。
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