1070人が本棚に入れています
本棚に追加
「もう!貸してください!私が文章打ちちますから!」
そう言って、悠哉に広げた手を差し出した。
さらに片眉上げて私を見つめると、悠哉はやれやれとでも言いたげな表情で、私の手の上にケータイを置く。
しばらく、慣れない悠哉のケータイをカチカチして文章を打っていた。
「できた!…これでいいと思いませんか?」
そう言ってニッコリ笑い、出来上がった文章を見せた。
悠哉がケータイを覗き込む。
と同時に私からそれを取り上げた。
「却下」
「ええ!?なんでですか!?」
「俺はこんなキャピキャピした絵文字を使ったりはしない」
「…そんなぁ」
っていうか、キャピキャピした絵文字って何ですか!?
ごく一般的なものしか使ってないんだけどな…。
「ほら、アドレス」
「もういいです!私も、会ったときに直接言います!忘れないように、なんとかします」
ブスくれていると、悠哉はクスクスしていた。
そして、再びケータイを私に差し出してくる。
「いや、…片桐の連絡先は知ってたほうがいい。何かあったとき、俺とすぐに連絡とれない場合は、あいつを頼って間違いないよ」
その言葉に目をパチリとさせた。
最初のコメントを投稿しよう!