さざ波-2

13/20
前へ
/39ページ
次へ
驚いて悠哉の顔を覗くと、私を見上げニコッと微笑んでいた。 うわぁ…。 つまり、これは膝枕状態。 私は目線を泳がせていた。 そして手に持っているケータイに気づき、コホンッとして続きを登録しはじめる。 「なる、片桐の番号も忘れず入れとけ」 「あ、はい!」 なるべく、悠哉を意識しないように努めていた。 登録完了後、ケータイをテーブルに置き、チラッと悠哉の顔を再び覗く。 悠哉は、目を閉じて休んでいた。 顔を熱くさせながらもう一度チラチラと視線を泳がせた後、悠哉を見つめた。 …やっぱり、疲れてるのかな? そっと、髪に触れてみる。 そしてそのまま頭を撫でた。 すると、悠哉の瞳が開く。 おもわずドキッとしてしまった。 そんな私にまたも優しくニコッと笑ってくると、悠哉の手が今度は逆に私の髪に触れてきた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1070人が本棚に入れています
本棚に追加