会長様?お父様?-1

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大谷くんが不思議に尋ねても返事がない。 私も顔を上げて幸恵を見てみた。 すると私たちの後ろをただ見つめている。しかも、段々顔は赤みを増していった。 気づけばさっきまで入り口で起きていたざわつきが、私たちを取り囲むようにして聞こえている。 何事かと振り返ろうとしたそのとき、私たちが座っているその席のテーブルにゆっくり両手を着く男性が1人。 その男性を見て、私の心臓は飛び出してきそうなほど大きな音を立てた。 大谷くんもビックリしたのか、すぐに声を出して反応する。 「し、社長!?…あ、おつかれさまです」 その挨拶に悠哉が軽く手をあげていた。 私は状況が理解できずに、頭の中が軽くパニックに陥っている。 な、なんでこんなところに!? 口をあんぐり開けていると、悠哉は私を見つけてニッコリ笑った。 「なる、ここにいたのか。…随分探したよ」 「…え!?」 さ、探してたの!? 連絡くれればよかったのに…! 「携帯に連絡したんだが…、出ないってのはどういうことだ?」 「ああ!?そうなんですか!?」 私は慌ててケータイを取りだし確認してみる。 すると着信履歴が…。
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