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あちゃ~…。バイブにしてたのに全然気づかなかった。
「すいません。気づかなかったです…」
その言葉に、悠哉は頷いた。
「まぁいい。さっき急な連絡が入ってな。…悪いが今からここを出る。なるも付き合うんだ」
え!?今から!?
ちょっと待って。この後何も予定ないんだっけか!?
私は急いで真新しい赤の皮の手帳を取りだし午後の予定を確認してみる。
そしてホッとした。
午後一番には特に予定が入っていない。
その手帳を戻し、悠哉を見て頷いた。
「わかりました。今すぐ用意します」
そして席を立ち上がる。
すると悠哉は、大谷くんをジッと見つめていた。
…あら?…なんかあまりいい予感しないんだけど。
「…で、大谷だったか?お前俺の目の前でよくなるの隣に座ってられるな」
「あ!は、はい!すいません」
そう言ってすぐに大谷くんも席を立ち上がった。
ああ…、悠哉ってばぁ…。
こんなところでやめてよ!
絶対ダメ!
この食堂にいる人たちの視線を全て集めている今、私の心はハラハラして落ち着かない。
急がなきゃと思っていると、今度は前に座っていた幸恵が立ち上がった。
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