会長様?お父様?-1

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その言葉に共感することができるのは、少しずつ自分の心が現状に追いついてきた証しなのかもしれない。 胸張って歩くにはもう少し時間がかかるかもしれないけど…、ホントに少しずつでまだまだ弱い自分かもしれないけど…、それでもちゃんと前に進めてる。 ほんのちょっと、実感できたかも。 悠哉の歩く後ろ姿を見つめながら、胸のなかが熱い想いでいっぱいになった。 会社を出て真っ直ぐ駐車場に向かい、私たちは悠哉の車に乗り込んだ。 エンジンがかかると、悠哉は車をゆっくり走らせていく。 急な用事って何なんだろう? そう思い、声をかけてみる。 「用事って何ですか?」 その問いに、悠哉が私のほうをチラッと振り向いた。 「ああ。さっきロスから連絡もらったんだ」 「え?」 …ロス? 「来週、会長が戻ってくる」 え!?会長様が!? 私はまたも驚くことになり、鼓動が大きく響きだし始めた。 「そ、そうだったんですか!ああ、帰ってくるんですね」 わぁぁ、ついに会長様に会うときが来たんだ! 上手く挨拶できるかな…。 あ、そうだ! それまでにちゃんとマナーとか学んでおかないと。
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