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私、だ、大丈夫かな?
しばらく座席で1人オロオロしていた。
そんな私をチラチラ盗み見する悠哉は、クスクス笑っていた。
…あれ?
来週来るのはわかったけど、今はどこへ向かってるの?
不思議に思い、悠哉を見つめまたも問いただしてみる。
「…あの、今はどこへ行くつもりなんですか?」
「会長宅。…つまり、俺の実家だ」
じ、実家ぁぁぁ!?
頭の中で私の声がこだまする。
そ、そんな急に実家だなんて…。
心の準備も何もしてませんけど!?
さらにオロオロし始めると、悠哉が声を出して笑う。
「アハハ!さすがだな。いいリアクションだ」
「ま、待ってください!私笑えません!」
「そうか?」
「当たり前です!いきなり実家だなんて…。私どうしたらいいか…」
「安心しろ。今そこには誰も住んでないから」
「そうです!実家にいる方に会うなら会うでちゃんと…。…ん?…今何て言いました?」
「実家には、誰もいない」
…え?
そうなの?
「会長が戻ってきたときはその実家で過ごすんだよ。だから今、そこの様子を見に行くところ。いつも来る前に業者呼んで掃除してもらってるんだ」
…へぇ、そうなんだ。
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