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あははは…。でも、それでも悠哉の実家にかわりないんだよね?
誰もいないとわかった今でも、なぜかドキドキしちゃう。
私、恋人の実家にお邪魔するなんて初めてだしなぁ。
「会長が帰った後にも掃除入れるから、そんな気にかけなくていいんだろうけどな。…もうすぐ着くよ」
そう言われ、顔を上げて前方を確認。
見えてきたのは、純和風のキレイな二階建ての建物だった。
胸のなかの鼓動は少しずつ落ち着きを取り戻していくけど、どこか緊張してしまう。
悠哉が車を駐車場に入れると、エンジンをきった。
「なるも一緒においで」
私にそう声をかけてニコッと笑い、悠哉が車から降りる。
それに続き、私も車から降りた。
駐車場わきに堂々とそびえる門構え。
その門の鍵を悠哉が開ける。
そして開き、なかへと進んでいった。
後に続き、私も足を踏み入れる。
そこにはとてもキレイな庭が広がっていた。
まず目に飛び込んできたのは、立派な五葉松。
暑さに負けず、堂々とその場に立ち並んでいる。
玄関まで続く石畳の両脇には、きっと季節の花々を植えていたんだろうと思われるプランターがいくつか並んでいた。
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