会長様?お父様?-1

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色とりどりの花が並んでいたらと想像するだけで、どこか涼を感じることができるかも。 そして、そっと目を閉じてみる。 この素敵な庭で、草花たちが活き活きと風に揺れる様を思い浮かべてみた。 うん、絶対気持ちいい。 自然と顔が緩んでしまう。 しばらくして目を開けると、悠哉は玄関前に着き私がやってくるのを待っていた。 いそいで悠哉のもとへ。 「すいません」 声をかけると、悠哉はニッコリ笑って頷いてくれた。 その笑顔に、さっきまで涼を感じていた私の頬はすぐに熱帯びてくる。 悠哉の前で涼を感じることなんて、この先あるんだろうか? 胸の中で自問自答していると、悠哉が私を見て人指し指を立てた。 「なるはここにいろ」 「あ、…はい」 「窓は閉めきってるし、家の中はかなり熱い。俺は少し様子を見てきたら戻る。それまで待ってるんだ」 そう言ってスーツの上着を脱ぎ、私の手元へ差し出してきた。 それをしっかり預かると、悠哉はまたも鍵を出し、引き戸式の玄関のドアを開け中へと入っていった。 その入っていった玄関の中をチラッと見て、私は一歩後退りした。 ひ、広い…。
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