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玄関でこれだけのスペースって…、いったいこの家はどれだけ大きいんだろう。
軽く目眩が…。
でも、当たり前なのかな。
歴代社長の家だもんね。
…こうやって考えると、やっぱり悠哉は私みたいな一般庶民の暮らしとは程遠いのかも。
なんか、かなり不安になってくる。
会長様に会って、私、どう思われるかな?
ふぅと軽く一息ついた後振り返り、さっき歩いてきた石畳の道を眺めた。
会社から10分ちょっとなんだけど、そんなにうるさくもなく、この家の敷地外にもある程度の緑があって、すごく住み良い場所に思える。
会長様が好んでこの場所に住んでたのかなぁ?
どんな人なのか、さらに想像を膨らませていた。
気づくと玄関側から足音が。
振り向くと、悠哉が靴を履いているとこだった。
「どうでした?」
靴を履き終えて、立ち上がったさいに声をかける。
そして悠哉が一言。
「…熱い」
「アハハ!汗かいてますよ」
ポケットからハンカチを取りだし、悠哉へ差し出した。
「ありがとう」
返事しながら汗を拭うと、悠哉はケータイを手にしていた。
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