会長様?お父様?-1

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「早めに頼んで掃除を済ませてもらったほうが良さそうだ。悪いが今連絡するから、もう少し待ってられるか?」 「あ、はい!大丈夫です」 すると、悠哉は電話をかけて業者さんと話をし始めた。 そんな悠哉の立ち姿を、しばらく見つめた。 ちょっと胸が、くすぐったくなってくる。 ここで悠哉は、小さい頃から過ごしてたんだよね。 ここにある物は、ずっとずっと前から見ていた物ばかりなんだよね。 悠哉が成長していく様を想像することに触れられただけで、どこか満足感。 来るときは少し戸惑ったけど。 来てよかった。 「ああ、それじゃ、よろしく」 悠哉がそう挨拶する声が聞こえると、電話を切っていた。 「業者さん、大丈夫そうですか?」 「毎回のことだからな。話もすぐついたよ」 その言葉に笑顔で返し頷いた。 「悠哉の実家、すごく素敵な所ですね」 「そうか?」 「庭を眺めてるだけでリフレッシュできちゃいます」 すると悠哉はニコッと微笑んだ。 チラッと腕時計で時間を確認した後、口を開く。 「もう少しゆっくり案内させたいが、そろそろ休憩も終わる。それはまた今度、会長がいるときにするとしよう」
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