さざ波-2

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脚立に上り、天井を見つめた。 あら?全然汚れてなくない? もしかして、ちゃんと洗ってたりしてた? …いや、悠哉にそこまで掃除する時間なんてあるの? というか、前から思ってたんだけど、家のなかすごくきれいなんだよね。 掃除が行き届いてるというか…。 フツー男の人の独り暮らしって、もっとがさつで汚れててもいいように思えるんだけどな。 私がここへ来てからは、自分の時間のあるときにもちろん掃除もしている。 一緒に住み始めて一月もたっていないんだけど、私の知らないこの家のルールみたいなものがまだまだあるのかな? 天井を見つめた後、ゴシゴシ洗わずとも軽く流すくらいでいいかなぁと判断した私は、いざ水で流そうとシャワーを上へ向けて発射。 そして自分のアホさに気づく。 そのシャワーからの水は、無惨にも自分へおもいっきり降りかかってきた。 「…」 これで悲鳴をあげるほど驚くこともなく、誰かに見られ笑って誤魔化す必要もなく、ただただ呆れながら目をつぶった。 空いてるもう片方の手の甲で顔の水を拭い、ゆっくり脚立から降りる。 シャワーを止めて、ため息ひとつ。
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