さざ波-2

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「…もしかしたら、余計なことだったのかもしれない」 そう。これはきっと、そこまでする必要はないんだよって誰かが教えてくれたのかも。 物事には、前兆というものがある。 それは良くも悪くも、何かを自分に伝えようとしてくれてたりするんだよね。 きっと、洗う必要はなかった。 …そう思うことにしよう。 そしてまた一息。 髪の毛も、服も、ビショビショになっちゃったよ。 着替えなくちゃ。 お風呂場から出て洗面台の前へ。 棚からバスタオルを出し、左側に結んでいた髪の毛をおろして拭っていた。 鏡のなかの自分を見つめ、化粧まで直す必要はないとわかった私は、そこから出ようとドアを開ける。 開けた瞬間、目の前に人の気配を感じた。 顔を上げ絶叫。 「キャァァァァァ!」 その声に、悠哉は驚いたのか後ずさりしていた。 「あ!あれ、悠哉!?帰ってたんですか!?」 「おまえな、…主人にむかって叫ぶとはどういうことだ!?」 …え!主人!? その言葉にすぐさま頬が反応する。 いや、たしかに主人だよね。 「ご、ごめんなさい!帰ってきてるだなんて思わなくて…」
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