さざ波-2

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すると、悠哉は片眉あげて私の顔を見つめてくる。 「えっと、おかえりなさい」 そう言ってニッコリ笑ってみた。 「ただいま。…で、なんで濡れてるんだ?」 私はそっと視線を反らした。 「あはは…。ちょっとドジりました」 そう言うと、目を細めてさらに私に顔を近づけ覗き込んでくる。 少し目を泳がしながら、ボソッと呟いた。 「…お風呂場の天井を洗おうとしたら、水をかぶっちゃったんです」 すると、悠哉は目をパチッとさせた。 しばらく見つめられたかと思うと、クスクス笑いだす。 そんな笑いを、私は顔を赤くして横目で見つめた。 …わかってるもん。 アホなのは、わかってる! ブスくれていると、悠哉はそんな私にニッコリしてくる。 首に巻いているバスタオルを悠哉が手にすると、優しく髪の毛を拭ってきた。 「…なるのこいういところ、好きだよ」 え!? いきなりのその言葉に、顔が沸騰する。 「…アホなところが、好きなんですか?!」 真面目な顔をして尋ねると、悠哉はプッと吹き出し、さらにクスクス笑った。 「いや、今のは語弊があったな。…そうじゃなくて、こう、俺の心を和ませるというか…」
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