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「おい、久遠聞いてんのかよ。いい加減学校こいよ!!」
そう言って部屋のドアをドンドン叩いてくるのはクラスメイトの秋山信二(あきやましんじ)今通っている学校に入学した時からの付き合いである。
「今のお前を見たら高見さんがどんな顔するか想像できんのかよ。おいっ!!」
信二に何を言われようと春香を失った俺は部屋から出る気になれなかった。
今まで朝起こしに来ていたのは幼馴染の春香だった。
あいつは毎朝、部屋まで来て俺の事を起こしてくれていた。
そんな春香を自分のちょっとした選択のミスで死なせてしまった。
俺はまだ心のどこかで春香は実は生きていて俺がこのまま部屋を出なければいずれひょっこり起こしにきてくれるのではないかと思っている。
しかし、現実はそんなに甘くなく、春香はもう現れない。
今来ているのは信二だけだった。
そんな現実が俺をこの部屋に縛り付けていた。
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