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「それで、話が大分逸れちゃいましたけど、面白い事やらないといけないんですか、俺って」
本当はこのまま脱線したままにしたいが、それだと後で何されるか分からないので、嫌々話を戻すことにした後輩君。
「それはもういいや、後輩君をからかってたらそこそこ満足したから、次に期待してるね?」
が、予定した展開とは違ったが、それなりに楽しめたので今回はいいらしい。
「……結局何時かはやらないといけないのか」
近いうちにやらないといけないと知って、何かネタはないかと考え始める変に生真面目な所がある後輩君。
「わざわざ期間を設けたんだから、面白いの期待してるからね、後輩君♪」
冗談半分だったのだが、結構真面目に考えているので、しっかりハードルを上げておく先輩。
「……拒否権はありますか?」
少し早まったかと後悔しつつ、一縷の望みをかけてみるも
「あると思う?」
今日一番の笑顔で却下されてしまった。
「デスヨネ、ワカッテマシタ、ガンバラセテイタダキマス」
思わず、棒読みで返してしまうほどの強烈な笑顔であった。
「ーーさて、そろそろいい時間だし帰ろっか?」
時計を見ると結構な時間が経っており、帰宅を提案する。
「そうですね、では帰りましょうか」
特に反論する事もないので直ぐにカバンを取り出し帰宅の準備をする後輩君。
「明日はどうしようかなー」
既に明日の後輩君をどう弄ろうかと考え始める先輩。
「ほらっ、先輩!明日の事は明日考える事にして、さっさと帰りましょうか!」
慌てて、先輩の手を取り帰宅するために、どんどん足を進める。
「わ、わかったわよ。だから少しは落ち着きなさい」
いきなり手を握られてて、動揺しつつも、それを後輩君には悟られたくないと、少し赤くなった顔を伏せながら歩きだす。
ーーーーこうして、今日も一日二人だけの放課後の時間も終わる。
次の二人の放課後の時間がどうなるのかは先輩のさじ加減。
どう転んでも、後輩君が苦労するのは間違いなし!
一先ず今回の『ややSよりな先輩と振り回され気味な後輩君』は御仕舞いです。
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