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ーー放課後の教室、今日の授業も終わり帰宅する生徒や部活のために教室から出て行くなか、その波に逆らうかのように、1人の女子生徒が教室に入ってきた。
ーー残っている生徒はただ1人だけ。
周りの生徒がいないのに気づくこともなく、窓から見える景色をみて黄昏ていた。
彼女は目的の人物を見つけ歩みより話しかけることにした。
「ねぇ、後輩君?」
「ん、何ですか先輩?」
振り返ってみればいつの間にか、先輩が来ていて、周りに生徒がいない事に気づくも先輩に声をかけてもらった事を思いだして直ぐに返事をかえす後輩君。
先輩はまだ後輩君がいきなりのことで頭が覚醒仕切ってないことを承知で1つ爆弾を落とすことにした。
「暇だから面白い事やって?」
それはもう、誰が見ても見惚れる満面の笑顔だった。
当然、それを直撃した後輩君も見惚れていたのだが、先輩が自分に言った内容をようやく理解し、
「……って、いきなり教室に着たと思ったらなに言ってるんですか、そんな事いきなり言われても出来るわけないでしょ」
多少、狼狽えながらも落ち着いて返答した。
「えー、出来ないのー?」
「うぐ、で、出来ませんって」
甘えるような、猫なで声で言われて思わず流されかけながらも、何とか踏みとどまる後輩君。
もっと慌てふためくリアクションが見たかったらしい先輩が、先ほどより大きい爆弾を落とすことにした。
「……出来たら、ご褒美にキスしてあげるわよ?」
ーーその瞬間、まだ先輩は言いきっていないのにも関わらず後輩君は『キス』の単語が耳に入った段階で反射的に返事をしていた。
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