第四章

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淹れたてのカフェオレに、焼きたてのクロワッサン。最高に心地よいと感じる。 キビキビと動き回るギャルソン達、ゆったりとした気分で時間を過ごした。 頃合いを見計らって、ギャラリーへと向かった。不思議だ、あれ程ドキドキして歩いた事が、馬鹿みたいに思えた。 どう考えたって、蒼は女性として私に興味を持っているとは思えなかった。 若くて、才能があって、綺麗で。周りには、魅力的な女達が沢山、居るだろう。 それなのに、SNSで偶然知り合った私が、恋愛の対象になる筈がない。 きっと、私だけが自意識過剰になり過ぎていただけだろう。 私の『会えないかな?』と、彼の個展がタイミング良く、重なった。 冷静に考えれば、それが普通だろう。 若くて綺麗なアーティストの友人。ちょっと素敵な出会いなのだ。
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