第四章

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感情を飾らない事が、これだけ気楽なものだと思わなかった。 私と蒼の間には他のしがらみが無い。それが飾らなくて良いと感じる大きな理由だろう。 もちろん、私を自然体でいさせてくれる、そんな蒼の不思議な魅力はもっと大きい。 ゆっくりと歩く蒼の歩幅は広い、それでも私に合わせて歩く。少しだけ私の前、居心地の良い距離。 誰かが前を歩くと、景色が違うのだな… 普段私の前を歩くのは、榊ぐらいだろうか。 真っ直ぐに歩く、目的を決めてからしか行動しない…そんな男。 そうかと云って、嫌いにはなれない男でもある。 どうしても、比べてしまう自分はいる。 それも、当たり前なのだろう。どちらにも惹かれている… そして、それで良い気がしていた。
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