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待って…そう声を掛けてしまったものの、その後の言葉が続かない。どうしよう、そう逡巡する私を蒼は見つめている。
その場に立ち止まったままだった、それでもどうして良いかわからない。その姿を見て、蒼が私に声を掛けた。
「お茶でも飲みに行きませんか?」
優しく笑いながら話す蒼に、私はバツの悪い表情で頷いた。歩いて数分のオープンカフェ、朝立ち寄った店だった。
夕方のカフェは、メニューも夜に合わせている。道すがらでは、ほんの二言、三言の言葉を交わしただけだ。
テーブルを挟んで、向かい合って座る。なんとなく、目線を蒼に合わせる事が出来ない。
「それ、こっちに置きましょうか?」
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