第四章

9/40
前へ
/40ページ
次へ
待って…そう声を掛けてしまったものの、その後の言葉が続かない。どうしよう、そう逡巡する私を蒼は見つめている。 その場に立ち止まったままだった、それでもどうして良いかわからない。その姿を見て、蒼が私に声を掛けた。 「お茶でも飲みに行きませんか?」 優しく笑いながら話す蒼に、私はバツの悪い表情で頷いた。歩いて数分のオープンカフェ、朝立ち寄った店だった。 夕方のカフェは、メニューも夜に合わせている。道すがらでは、ほんの二言、三言の言葉を交わしただけだ。 テーブルを挟んで、向かい合って座る。なんとなく、目線を蒼に合わせる事が出来ない。 「それ、こっちに置きましょうか?」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

900人が本棚に入れています
本棚に追加