第七章

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第七章

「部長、なんか楽しそうですね。社長何か言ってましたか?僕等が先に帰る事」 どうやら、榊の態度が可笑しくて、表情に出てしまっていた様だ。これ迄なら、プライベートが仕事中に影響するなど、考えられなかった。 「そう?別に愉しい事なんて無いわよ。あっ社長は気にして無いみたいだからね」 「部長はどうされますか、同行するんです?」 「あんた達が行かないんだから、私まで行かない訳にいかないじゃないの」 そう云えば、断ろうと思って榊を訪ねた事をすっかり忘れて、同行すると伝えてしまった。 むしろ、愉しみになっている感もある。なんと無く、それはそれで良い気がしていた。 悩んでいるのは、私だけじゃ無かった。そう感じた事が、少し私を気楽にしたのかも知れない。
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