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第九章
呆気にとられていると、行きましょうと笑いを堪えた表情で、二階に続く螺旋階段を 上っていった。
「いらっしゃいませ…あらっ?もしかして晴美さん…よね?」
「ユキさんとお知り合いなんですか?」
「もちろんよ。とにかく座りましょうよ、それにしても驚いたわね」
「ご無沙汰してます」
席について、晴美さんはユキさんにそう挨拶をした。だから、笑っていたのだ。
「何年になるかしらね?晴美さん」
「そうですね、多分 結婚する前だから十七~八年かしら?」
「そうそう、遣り手のご主人だって話ししてたわね。結局、私はお会い出来なかったのよね?」
晴美さんは、茶目っ気たっぷりに私を見る。
どうリアクションして良いかもわからなかった…まさか、榊がそうだとは私から話せる感じでは無い。
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