第十一章

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「素敵な人ですね榊さんって。佐野さんが羨ましいです」 「そうね、素敵な人よ。本人にはナイショだけどね」 榊の事を褒められれば、それは嬉しい事に違いない。 何件かの店を回り買ったのは靴とアクセサリーだった。 ブランドのショップは日本にあるのと変わらないし、わざわざ持ち帰るのもどうかと思ってしまった事もある。 沈さんにはお礼だといってブレスレットを無理に渡した。 榊には払わせていない、なんだか自分でプレゼントしたかったのだ。 榊は少々不満気だったけれども、代わりに豪勢な食事を奢らせる。 流石に中華には飽きていたので、フレンチに高価なシャンパンで北京の街を見渡せる気持ちの良い食事だった。
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