第十一章

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榊とする食事は嫌いではない。ラフに見せても決して他人を不快にさせないし、従業員に対してもスマートな振る舞いをみせる。 知り合った頃の榊はもっとガサツと云う程ではないにしろ、これ程までに優雅では無かった気がする。 そうして考えると随分長い間この男の傍にいるのだ。 適度な距離感、寝てしまった後でもそれは変わらない。やはり心地好いのだ。 「どうした?やけに視線を感じるぞ?」 「そうですか?見惚れてただけですよ」 「そうか、無理もないな。結構良い男だからな、そう思うだろ?沈さんも」 「そうですね、佐野さんがいなければアプローチかけてるかもしれませんよ」 「あら、またライバルが増えちゃいましたね」
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