第十三章

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相変わらずため息が出そうな程に美しい肌のオーナーがそう告げる。 「ええ、もちろん。香澄さん相変わらずお綺麗で」 「もう、そんなに褒めても何も出ないわよ」 年齢は未だに教えてもらっていない、それでも五十前後の年齢だと聞いた事がある。 年齢が一番出るのは顔よりも顎から下へ向かう首筋のラインだ。 顔をいくら張りがある風に見せても、そのラインに艶がなければ年齢は垣間見る事が出来てしまう。 彼女にはそうした部分に年齢相応の弛みが見えない。 「本音ですよ。これお土産です、時間外のお礼に」 「これは贅沢ねぇ。クリスタルじゃないの、エステ代よりはるかに高いわよ?」 「良いんです、とにかく今日は気分転換したくて」
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