第十三章

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中々話を切り出さない彼女を前にして、頭の中が冷静になってくる。 そうすれば自ずと疑問が湧き出してきた、そもそも彼女が何故私の会社を知っているのか。 蒼と彼女の関係もわからない、もちろん蒼が彼女とも付き合っているとしても私には文句が言える筋合いでもないのだけれど。 小さく息を吐き出してからゆっくりと顔を上げて、彼女が口を開く。 「待ち伏せしたみたいな形になってすいません…蒼くんの事で…」 そこまで話をして、彼女が私を見つめる。とりあえずは冷静に話が出来そうな相手である事はわかった。 「そうでしょうね、何度かお会いしてるわよね?」 「ええ、展示会と教室の帰りに」 そう話して、口元をキュッと結ぶ。視線は少し斜め上に向いてすぐに元に戻る。 思い出したくない事を振り返ってしまったのだと、私には見えた。
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