第十三章

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居心地が良い筈もない、彼女のペースで腹の探り合いをするのもまっぴらだった。 「それで?どう言ったお話なのかしら」 落ち着いて、少しだけトーンを落としてゆっくりと話す。長年培った経験は、無意識のうちに行動に出てしまう。 さり気なく自分のペースへ相手を巻きこむ、それはとても反射的なものなのだから仕方が無い。 「あの、どういうおつもりで蒼くんと付き合ってるんでしょうか?」 頭の隅で、高校生じゃあるまいしと呟いてしまう。それでも、痛い処を突かれた気分だった。 「その前に幾つか聞かせてもらって良いかな?」 「ええ、どうぞ」 「貴女は私の事を知っているみたいだけれども、私は貴女の事を何も知らないわ。教えていただけると助かるのだけれど」 「そうですね、名前も名乗らずに不躾ですいません。河村麻奈美と言います、蒼くんとは遠縁ですが親戚にあたります」
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