第十三章

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「親戚なのにお見合い?」 「そうですね、馬鹿らしい話ですよね。子どもの頃から知ってるのに…そういう形で親達が進めようとしてるんです」 何だか違和感はある、それでも蒼の家庭環など知らない私にはわからない事だらけだった。 感じるのは少なくとも彼女はその事に反対ではないと云う事で、私は彼女や親達からは邪魔な存在だと云う事なのだろう。 〈親達が進めようと〉そう言葉に出しながら暗に私を牽制しているという事なのだろうか。 「そう、それで改めて蒼くんの身辺調査をした…そういう事なのかしら?もう一つ聞いて良いかしら、蒼くんはそのお見合いの事は知っているのかしら?」 彼女の目が泳いでいる、どうやら蒼の知らない処で話が進んでいる様子だった。 それにしても不思議な話だ。 「それは…まだですけど、ずっとそうするって決まってる事ですから!」 決まっている?強い口調のその言葉の意味を図りかねてしまう。いつの時代の話なのだろうか、許嫁と云う事なのか。
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