第十三章

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それから榊は私との事や仕事の事には一切触れず、ただ愉快そうに食べて飲んでいた。 何故だか榊の姿は会社が大きくなる前の途方もないエネルギーに溢れていた頃と重なる。 「暫く忙しくなるからな、俺の事忘れんじゃないぞ」 まるで小娘にするように、頭にポンと手を置いて誘いをかける素振りも見せずにタクシーへ乗り込んだ。 結局、私の決心などお構いなしで榊のペースだ。 今回ばかりは、今榊が何を考えているのか予想もつかない。 考えてみれば、榊と云う男はそもそも私がコントロール出来る程度の人物ではない。 役員達もそれを勘違いしているだけの事で、私と云う存在をカムフラージュにしていただけなのだろう。
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