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第十四章
デートのお誘いにしてはあっさりしてるね、そんな風に蒼が苦笑いしていそうな声で電話を切った。
そう言われて少し淡白な話しかただったかと反省したけれど、長く話せば彼女の事にふれてしまいそうだった。
とにかくきちんと顔をみて話がしてみたかったのだ。
榊からは音沙汰がなかった、スケジュールを確認しても殆ど社内には居ない。
この間の夜の口ぶりで何かを企んでいる事はわかるのだけれど、それがどんな事なのかがさっぱりとわからなかった。
金曜日、出社と同時に社長室を覗いてみた。出社していない事はわかるのだけれど、不在の間の行動が全く掴めない。
仕事上の決済に関しても役員に全て任せている様子で、業務に支障がないようにされていた。
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