第十四章

2/40
前へ
/40ページ
次へ
「あっ、佐野さん。社長いませんよ…というか、このところ社長の行動がわからないんです。何かご存知ないですか?」 「秘書室がわからないのに、私には分かるはずないわよ。連絡はつくのよね?」 「ええ、それはもちろん。最悪、三浦さんが電話に出てくださるので大丈夫なんですけど」 「そう…社用車で出歩いてるなら遠くにいるわけじゃなさそうよね」 「そうなんですけど、三浦さんにも口止めしてるようで何処に行ってるのか全然わからないんです。来週の前半までは居ないと思ってくれって」 「あなた達も大変ね」 「ええ、とにかく有った事は全部メールしろって。役員の方達にも責められるんですけど…どうしようもないですね」 半ばあきらめた風に彼女が笑う。榊は何を考えているのだろうか…
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

503人が本棚に入れています
本棚に追加