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榊は笑って私の言葉を聞いていた。やっぱり私はこうして活き活きとしている榊に魅了されてしまっている。
「そろそろ三浦が来るかな?」
時計を眺めると十二時近かった、どうやらそうした約束に初めからなっている様子だ。
「そうなんですね。なんなら私は帰りましょうか?」
榊は少し考えてからゆっくり首を振った。
「俺のこれからを理解しておいてくれよ。当分バタバタとしそうだからな、その間にお前に逃げられても困る」
何処までが本心なのかはわからないけれど、笑いながら話す榊の言葉に黙って三浦を待つことにした。
榊は私が読み返した新聞を片手にくつろいでいる。程なくして部屋のドアがノックされた。
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