第十五章

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「そうなんですか?まあ、それは私には詮索するところでは無いですけれど、疑問に思われていてはこの先に差し支えますからね」 「別にそんな事は無いですけど。正直気にはかかります」 「この仕事をさせていただく前に、私はコンサルタントの仕事をしていました。佐野さん、バブルの時代はご存知ですよね?」 「ええ、まあ私は時代が違いますけど…三浦さんもそんな時代じゃないですよね?」 「そうですね、残念ながら私もその時代には学生ですからね。その後に起きたITバブルってやつです」 確かに短い期間ではあったけれど、沢山のIT関連会社が上場を果たし局地的なバブルが起きていた。 榊の会社もいわばその波の中で上場を果たしたのも事実だった。 殆どは大手の資本のマネーゲームに踊らされて錬金術のコマになった。
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