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三浦は笑いながら、少し口調が強くなってしまった私に話しかけた。
「もちろん佐野さんがそんな人だとは思っていませんよ。私の仕事はあくまで運転手ですから…お迎えにあがった時に気を遣われては困ってしまいますからね」
「ごめんなさい、勘違いしてしまって」
顔から火が出そうな程恥ずかしい心持ちだった。
「いえ、佐野さんは裏表がない事は良くわかっていますからね。ところで社長、私はどこまで佐野さんにお話したら良いですか?」
「ああ、できる限り全てだ…個人的に知っておいて欲しいのもあるが、彼女の意見も聞いてみたい」
三浦は納得した様子で頷くと少し目を閉じて考え事をしている。どの様に話せば明瞭に伝わるのかを思案している風だった。
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