第十五章

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三浦の考えたファンドは、そうした概念とは随分違ったものだった。 ファンドとして投資した資金に関しては収益を目的としない、その点が第一に違っている。 アメリカとバングラディシュに、榊同様の個人資産を持った経営者が居るのだと三浦は話した。 例えば、今後日本で必要になりそうな技術開発がアメリカで行われているとする。日本の会社が早い段階で投資を行う事は、商習慣上も法的な面からも非常に厄介な事になる。 それは逆も同じ事で、とかく海外資本の投資は非難を浴びたりする事も考えられる。 そこでお互いが窓口になり代わりに投資を行い、実際の技術や製品の販売や活用の権利を得る。 「細かな調整や法的な問題まで詰める事は沢山あるんですけれどね。日本にも投資対象になる会社は沢山あると思います」
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