第十五章

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「お前も知ってるだろ、小さい会社が資金調達する難しさを。補助金で国から開発資金出してもらうのがどれだけ大変か。うちが買い取った会社の内情で見てきたろ?」 「そうですね、五百万の補助金貰うのに、分厚い報告書作成する人件費が半分かかるなんてザラな話でしたね」 「大手から資金投下されると…最後は会社ごと吸収される」 三浦の言葉に榊が苦笑いする。 「うちがしてきた事だ。今のスキームが成り立てば、開発費用と同時に海外での販路も確保できる。上手くいけばだがな…」 男達の考える事には着いて行けない気がした。榊にも三浦にも私には持てそうにないエネルギーを感じるのだ。 「それで毎晩海外とやりとりしていて、お昼近くまで起きられないって事ですね」
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