第十五章

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事前に情報が漏れる事があれば、当然合併どころではないだろう。 インサイダー取引の問題もある、言われなくともその辺りはわきまえている。 それでも何かが引っかかる、今度の合併先は純粋な国内企業だった海外に支社はあるけれど資本は国内なのだ。 それに三浦の存在だ、榊は睡眠不足の原因を時差だと確かに話した。 そして一緒に何故か運転手の三浦がいたとも話していた。 「三浦さんは知ってますよね?どうして重役も知らないのに、三浦さんなんですか?」 「三浦は、新しい会社のスタッフになる。なりゆき上、今回の事も知ってはいるが三浦は次の仕事の事で手伝ってもらってるんだよ」 「あの…三浦さんがですか?」 「ああ、三浦ほど信用できる人間はいないからな、お前は別としてだが。仕事もできるしな」
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