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『一着だけドレスも持って来いよ、後はラフな服で良いからな』
榊にそう告げられて、大きめのキャリーに荷物を詰め込む。
止まっているから余計な事ばかり考えるのだ、動き回る事が性にあっている。
「蒼くん、ちょっと出掛けるから暫く会えないかも」
「ん?そうなんだ…実家でのんびりしてるの?」
「ちょっとロスまで行ってくる。仕事しないとね」
「ふぅ~ん…そうかぁ。まあ、僕の事は忘れないでね」
「バカね…」
少し真面目なトーンで蒼が囁く…
「愛してるよ、えりさん」
「ありがと…」
我ながら、狡い答えだと思う。それでも、嘘はつけない。
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