第十七章

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飛行機に乗るのも久しぶりだった、随分と貯まったマイルを使ってビジネスシートでのんびりと榊の元へ向かう。 榊の仕事は順調に進んでいる様子だった。驚いたのは、三浦の変貌ぶりだ。 私には相変わらずの丁寧な言葉でるけれど、以前のような榊の陰で気配を消している風ではない。 見た目の年齢も随分若く見える。以前と違う小さなオフィスで、あの榊と対等にやりあう様になっていた。 「よう、お疲れ。長旅で疲れただろう」 ロスの気候に負けない程の笑顔で榊と三浦が迎えてくれた。 「そうでもないですよ、のんびりと寛いできましたから。それにしてもラフな格好ですね、お二人とも」 「そうだな、スーツなんて着てるのはバカらしくなるぞ。なにせこの気候だしなぁ、まあ、とにかく荷物を置きに行くか」
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