第十七章

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第十七章

帰りの電車で浮かんだのは、愉しそうに過ごす両親。それから義妹の事だった、結婚して子供がいて守られて生活する。 もちろん旦那の両親と同居しているのだ、気を遣うことは沢山あるだろう、それでも彼女の生きかたは一つの結論なのだろう。 自分そうした姿を想像してみる、毎日食事の仕度をして、洗濯をして、子供の世話をして、帰りを待つ。 悪い生活だとは思わない。でも…私には無理だ。 蒼や榊とならば、そうした平穏な生活になる気はしないけれど、結局私が自分の足で立っていなければ似たようなものだと思う。 蒼のところでは、私にする事はない。榊を選ぶとは決めてはいないけれど、やはりあの男と仕事はしてみたい気がする。 合わなければ止めてしまえば良い事だ。
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