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着替えをする為に自分のゲストルームへ戻る。こちらで買ったサマードレスに着替えて、サンダルも履きかえる。
リビングでは着替えを終えた榊が、冷めた珈琲を口にしていた。
「淹れなおしましょうか?」
「ん?折角だから一口飲んだだけだよ。珈琲淹れたならそう言ってくれれば良かったのに」
「あら、そのつもりでお部屋に伺ったのにベッドへ引きづり込んだのはどなたでしたっけ?」
「そうだったかな?気のせいだろ。お前が潜り込んできたんだよな。行こう、腹がへったぞ」
笑いながら私の手をとった。榊はそのまま私の手を離さなかったし、私もそうしていた。
低い建物と、真っ直ぐに伸びた道。海沿いをのんびりと歩く。日本で榊と手を繋いで歩くなんて考えられない事だろう。
榊は私に歩調を合わせる風に、大きな歩幅をゆっくりと進める。時折手を前後に揺するのが可笑しかった。
ビーチ沿いの真っ白なレストランのテラスに座り、海を眺めながら朝食をとる。榊は嬉しそうな表情を崩さない。
「愉しそうですね。随分」
「そうだな、こんなにのんびりしてるのは久しぶりだからな。たまにはこう云うのも良いもんだ、三浦に感謝しないといけないかな」
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