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美海、
元気かな…
初めは、愛想もなく可愛げのない…、
そんな女の子だったのに。
そう、感じていたのに。
なぜなのだろうか。
雨音響く公園で一人佇む、あの女の子の涙が拭えない。
敦の脳裏には、あの公園で初めて出会った時の、涙を目いっぱいに浮かべて、自
分を睨む彼女の瞳が脳裏に焼き付いて、未だに消えないでいた。
自分が気にする理由は特段無いのだけれど。
家が隣なだけで、親同士の仲がいいわけでも、面倒をみてくれとも頼まれたわけではない。
けれど、気になって仕方ない。
自分には持っていない、まっすぐな瞳の強さ。現実を受けいれる、強い覚悟。
あんなに小さな身体で乗り越えようとするバイタリティ─。
そんな君が、なぜか気になるんだ。
今も、悲しんでいないかって。
たった一人で、小さい身体を震わせながらも戦っていないだろうか、泣いてはい
ないだろうかと。
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