幸せのカタチ

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ーー ーーー ーーーーー 「無理してでも、行けばよかったなぁ」 「ん?」 ナオの横に座って、 のんびりコーヒーを飲みながら “あの日”を振り返っていた。 「ほら、事故の何日か前に 泊まりに行くって約束...」 「ああ」 「心配はかけたかもしれないけど、 ナオに伝えることが出来ていれば...」 そっと抱きしめられて 私の言葉がくぐもった。 「1人で抱えて、辛かったな」 「ううん、そんなんじゃないよ。 私ね、むしろ舞い上がってた。」 「...そうか」 「あんまり先の事、 考えてなかったからねー 若さってすごいねー」 「...その時の写真ってもうないのか?」 「うん。お兄ちゃんが全部捨てたみたい」 「さすがだな」 お兄ちゃんも辛かっただろうに、 私のために、必死で守ろうとしてくれた。
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