487人が本棚に入れています
本棚に追加
/247ページ
ーー
ーーー
ーーーーー
「無理してでも、行けばよかったなぁ」
「ん?」
ナオの横に座って、
のんびりコーヒーを飲みながら
“あの日”を振り返っていた。
「ほら、事故の何日か前に
泊まりに行くって約束...」
「ああ」
「心配はかけたかもしれないけど、
ナオに伝えることが出来ていれば...」
そっと抱きしめられて
私の言葉がくぐもった。
「1人で抱えて、辛かったな」
「ううん、そんなんじゃないよ。
私ね、むしろ舞い上がってた。」
「...そうか」
「あんまり先の事、
考えてなかったからねー
若さってすごいねー」
「...その時の写真ってもうないのか?」
「うん。お兄ちゃんが全部捨てたみたい」
「さすがだな」
お兄ちゃんも辛かっただろうに、
私のために、必死で守ろうとしてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!