九番目の交響曲

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タイムリミットまで1時間。 残された時間は、少ない。 集中しろ。 集中しろ、俺。 集中…… 「フンフンフンフンフンフンフンフン フンフンフンフンフーフフ~ン…」 集中… 「フンフンフンフンフンフンフンフン フンフンフンフンフーフフ~ン」 集中… できねーし! しかも何故、今日その曲なんだ? しばらく黙って聞いていたが、とうとう我慢できなくなって、マウスを離し、勢いよく後ろを振り向く。 「篠村さん! その気の抜けた鼻歌、やめてもらえませんか? おかげで作業に全然集中出来ないんですけど!」 俺の苦情に、真後ろの席に座る4年上の先輩、篠村夏月(ささむら なつき)が、「ほえ?」な顔で振り向く。 無意識だったらしい。
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